Kingdom

新・習劇 第12回 『Kingdom』
「いつか霊を見られるようになる。」

Kingdom

キングダム』(ラース・フォン・トリアー監督)を3週くらいに分けて観る。
数年ぶりに観たのだが、いつ観ても出産でウド・キアーが出てくるところで笑う。
ゴシック・ホラーらしいのだが、笑いと皮肉の要素が大半を占めている気はする。
デンマーク版『ツインピークス』と当時は騒がれていたが、ギャグだけなら圧倒的にこちらが優位である。
デンマークに対し以上なまでの対抗意識を燃やし、己の医療ミスの証拠隠滅に奔走するスウェーデンからきた医師。
仮病で入退院を繰り返し、病室で降霊をする心霊マニアのおばさん。
病院内で実験用のネズミを標的に銃をぶっ放す熟女医師。
地下で謎の太鼓治療を行う精神科の医者、しかも無許可。
その精神科に入り浸り、自身のエロ本収集の趣味を復活させてしまいブロンズ製の性器を手に院内を練り歩くあわれな医師長。
巨大な癌腫瘍を欲望の果てに己の体に移植し、その腫瘍を食べられてしまう可哀想な研究医。
毒を盛られて臨死体験をし、頭がおかしくなった、頭の良い医師(調達屋)。
悪霊を父親に持つおっさん顔の赤ちゃん。
など例を挙げたらキリがない。こんな皮肉めいたキャラ設定ができるラース・フォン・トリアーが一番、あたまがおかしい。

そう言えば3rdシーズンはどうなっている事やら、こんなに気になる終わり方で放置と云うの珍しい。ヘルマー医師役のエルンスト・フーゴ・イエアゴーが亡くなったので完結編は延期らしいと云う話は聞いた事があるのだが。
しかし、今回見直してみてこれで終わりでも良い気もしている、薄い氷の上でバランスをとっていた人々がバランスを崩して冷水へと落ちる。
「もうすぐ、かつてない悲惨な惨劇が起きる」で終わるからその通りなのであろう、この先起きるであろう惨劇の一部は既に出ているので、あえて結末を描かずともと思うのである。それにしても急降下するエレベーターに乗っているドルッセ夫人は死なないんだろうな、多分。なにしろ乗っている飛行機が墜落しても平然としていたくらいなので。

ちなみに家の近所には昔、国立習志野病院と云うものがあり、戦時中は結核の療養所だったらしいのだが、建物がまさにキングダム病院のようであった。自衛隊やら陸軍駐屯地なんかも近所にあったので、恐らく広大な地下施設あったのではないかと思われる。地中深くで本当に黒ミサでもやってそうな雰囲気だったのだ。探検しに行く前に立て替えされてしまったのは非常に残念である。そして私の生まれた病院でもある。

それはそうと埋めた筈の生首が、いかなる経緯で黒魔術集団の手に渡ったか気になるところである。
…五年後くらいにまた観ようかと思う。

昨日は節分。久々にアウトバックにステーキを食べに行き、夜には北北西を向いて丸かぶり寿司も食べました。満足な一日であった。

再び”キングダム”の世界に戻る際には、善も悪もあることを心得よ。

Twin Peaks

私の地元には習志野劇場と云う映画館がありました、最盛期は3、4番館として、末期は地元の歓楽街化の波に流されポルノ劇場へ。少年にはいかがわし過ぎで中へは入れず終いでした。結局、市に潰された結果にはなりましたが、かつて我が街にも映画館があった喜びと、その精神を継承して、半ば支配人気取りでその時々気になる作品を取り上げて行こうと思ったりする。

新・習劇 第1回 『Twin Peaks』

Twin Peaks

「ぅレぅぇッツ、ぅロォォックぅ。」

昨年の冬あたりから続く、誰かさんとのシリーズ物の鑑賞会。事の発端は私の所有する『ツインピークス 1stシーズン DVD BOX』を見てしまってからだったような。1stシーズンはとんでもないところで終わるので、誰かさんもさすがに気になったらしく続行する事に。私としては5回目くらい。

いまさら説明不要の今作ですが、毎回監督違う割にはうまくまとまっており、一見の価値ありです。デビッド・リンチらしさは随所にうかがえるし、リンチと作曲家バダラメンティがプロデュースしたジュリー・クルーズのアルバムも素晴らしい。前作『ブルーベルベット』の頃にリンチがThis Motal Coilの音楽に影響を受け、バダラメンティと共にクルーズを見いだしたらしい。

ちなみに私のBest 5に入る作品です。

犯人が分かる2ndシーズン以降、視聴率もガタ落ちで本国では打ち切られた様ですが、幸い日本では最後まで放送しておりました。当時、私は中学3年生くらいで、数少ない楽しみが土曜の夜中のツインピークス。コーラ片手に土曜の夜をエンジョイしてました。見るからに友達のいなそうな切ない少年でしたが、そのお陰で得たものも少なくはない。

そもそも全部見ないと絶対に内容はわかりません。よく劇場版『ローラパーマー最後の7日間』を意味不明とかつまらねぇと言う人でTVシリーズ全部見た人に未だかつて出会った事がない。もったいないと思いつつも、人の事なのでいつもスルーしているが。

『最後の7日間』にローラの部屋に飾ってある天使の絵は私もプリントアウトして部屋に飾っております。

いくら好きと言ってもキャラの好き嫌いはあります。小人と丸太おばさんは大好きです、ネーミングが素敵です。ジェームスと云う若者は終始いけ好かなかった。それにしても個性的なキャラは多い。まさに群像劇である。

頭のおかしな人は視点が違う、本人はいたって真面目なのであろうが。表現の難しさを改めて知る事のできる長編映画である。

曇りの寒々とした世界観が好きな方は是非。